Webサイトを作成するのに欠かせないツールのひとつがCMSです。

CMSとはWordPressなどのWebサイト作成・管理ツールで、誰もが知る大手企業サイトや通販サイト、個人サイトまで世界中で広く導入されています。

ですが、そもそもCMSとは何かがわからず手が出せないという人も多いのではないでしょうか。

ここではCMSとは何かや種類、メリット・デメリット、導入方法などをわかりやすく解説していきます！

CMSとは

CMS（Contents Management System）とはコンテンツ管理システムという意味で、Webサイトのコンテンツを簡単に作成・管理できるツールです。

たとえば一からWebサイトを作ろうとすれば、デザインやコーディング等のスキルが必須となり、限られた人しか扱うことができません。

そのため作業の難易度も高く、制作や管理コストもかかってしまいます。

ですがＣMSの登場により、HTMLやCSSなどの専門知識がない人でも簡単にWebサイトの作成や更新ができるようになりました。

現代社会においてCMSは、効率的で高品質なWebサイトの作成に必要不可欠なツールだと言えるでしょう。

CMSの主な機能とは

CMSにはコンテンツの作成以外にも、さまざまな便利な機能が搭載されています。ここからはまずCMSの主な機能を紹介していきます。

一つずつ見ていきましょう。

コンテンツ作成・編集機能

CMSのメインとなる機能がコンテンツの作成・編集機能です。

本来のWebサイト制作では、コンテンツを作成するのにHTMLなどのコードを編集する必要があります。

しかし、CMSを使えばこういったコードの編集はほぼ必要ありません。

管理画面から直感的にテキストや画像などの追加や更新をすることができるのです。

このように、ボタンひとつでページを作成し、専門知識は必要なく誰でも手軽に編集できることがCMSの一番の強みと言えるでしょう。

デザイン機能

CMSにはデザインに関するテンプレートやテーマなどが豊富に用意されています。

そのためデザインスキルがなくても好みの素材を選ぶだけで、プロのような仕上がりのWebサイトを簡単に作ることができます。

また、有名なCMSツールの多くはレスポンシブ機能も標準装備されており、作成時に面倒なレスポンシブ対応を行う必要もありません。

さらに、色やサイズの変更なども管理画面から手軽に行えるため、デザイン面でも非常に優れたツールといえます。

ユーザー管理機能

多くのCMSには、ユーザーを登録して、それぞれに異なる管理権限を付与できる機能があります。

そのため、複数人でWebサイトを運営したり、お店のスタッフがブログを更新したりする場合に便利です。

たとえばアルバイトスタッフには記事の投稿権限のみを、全体を管理する責任者には管理者権限を設定すればそれぞれに適した管理画面が表示されます。

これにより全スタッフに共通のパスワードを共有する必要もなくなり、セキュリティリスクも減らすことができるでしょう。

マーケティング機能

Webサイトはただ作ればOKという訳ではなく、より多くのターゲットを呼び寄せ成果を出す必要があります。

そんな時に心強い味方となるのがCMSのマーケティング機能です。

面倒で複雑なSEO対策なども、最低限のワードを入力するだけでCMSが検索エンジンに最適化した設定にしてくれます。

アクセス解析や広告のABテストなども利用すれば、さらに強力なコンテンツを効率的に作成することができるでしょう。

CMSの導入でできることとは

「CMSを導入すれば、具体的に何ができるようになるの？」

これはCMSの導入を検討している多くの方が気になるポイントではないでしょうか。

ここからは、CMSを導入するとできるようになることの例をいくつか解説していきましょう！

レスポンシブ設定

レスポンシブとは、Webサイトの表示を異なる画面サイズにあわせて最適化することです。

近年ではPC以外にスマートフォンやタブレットの使用率も高く、それぞれのデバイスでコンテンツを見やすく表示することが求められています。

しかしこのレスポンシブ対応は自作サイトで行おうとするとなかなか厄介で、サイト完成後も時代の変化にあわせて手作業でのメンテナンスの継続が必要になります。

その点、レスポンシブ対応のCMSを導入すれば、多くの場合コンテンツにあわせて最適な表示設定を自動的に行ってくれるのです。

このレスポンシブ設定だけでもCMSを導入する大きなメリットだといえるでしょう。

ブログ管理

Webサイトにお知らせや更新情報、スタッフブログなどを掲載したい時にはブログ管理機能付きのCMSが便利です。

また、ブログ部分以外のカスタマイズ性が弱い通常のブログサービスとは異なり、CMSの場合はブログ機能付きWebサイトとしての運用に適しています。

もちろん情報サイトなどブログがメインのWebサイトの運営にも使用することができます。

また、文字だけでなく画像や動画、表やリスト、吹き出し枠などあらゆるパーツを利用すれば見やすく質の高い記事となるでしょう。

記事をたくさん更新することでSEO効果も期待できるため、ぜひ積極的に活用してみてください。

お問い合わせフォーム

「お問い合わせフォーム」は、企業サイトや店舗サイトでは非常に重要であるにもかかわらず、HTMLやプログラムを使って自作しようとすると、意外とハードルが高いものです。

しかし、WordPressをはじめとするCMSであれば、専用のプラグインや機能を活用することで、誰でも簡単にお問い合わせフォームを設置できます。

設置作業はフォーム項目を選んで配置するだけ、といったシンプルな操作で完了するため、専門知識がなくても安心です。

さらに、CMSの機能や使用するツールによっては、フォームの内容を自由にカスタマイズできるだけでなく、自動返信メールの設定や、受信したお問い合わせの一覧管理といった便利な機能も利用できます。

最近では、お問い合わせフォームに加えて、リアルタイムでのやりとりが可能なチャット機能や、来店・相談などのスケジュールを管理できる予約機能なども人気となっています。

通販カート・決済機能

「通販サイトや決済機能付きのサイトを作りたいけど難しそう…」

そう悩む方でも、カートや決済機能のついたCMSを導入すれば手軽に実現が可能です。

また、通販機能に特化したCMSであれば商品登録や在庫管理、受注・顧客管理、分析機能などもひと通り揃っています。

これらの機能を活用すれば未経験でも簡単に通販サイトを運営することができます。

初期費用が不要なサービスもあるため、予算はないけど通販を始めたいという方は通販機能付のCMSの導入を検討してみてください。

サイト翻訳

グローバル展開の勢いが増す中、Webサイトの多言語対応も重要なポイントとなっています。

特にインバウンドの旅行客に対応するためのお店のホームページや、日本から海外に向けて商品やサービスを売りたい場合などでは必須です。

CMSの中にはサイトを自動翻訳してくれる機能や、複数言語の切り替えができる機能を持ったツールもあります。

これらの機能を使うことで、あなたのコンテンツを世界に向けて発信するチャンスが広がるかもしれません。

CMS導入のメリットとは

ここまでは、主にCMSの機能面についての解説を行ってきました。

「じゃあCMSを導入すれば具体的にどんなメリットがあるの？」と気になる方も多いと思います。

CMSを導入することで得られる代表的なメリットをご紹介します。

簡単に高品質なサイトが作れる

CMSの最大のメリットとは「専門知識がなくても高品質なサイトを簡単に作れる」ことです。

WordPressをはじめ多くのCMSには、おしゃれで機能的なテンプレートやテーマが豊富に用意されています。

その中から好きなデザインや機能のものを選び、テキストなど内容を追加するだけ。

まるでプロが作ったようなデザインの美しいWebサイトができあがります。

トップ企業が採用するようなハイクオリティなテーマを選べば、手間なく高級な仕上がりのWebサイトを作ることも可能です。

また、無料でもクオリティが高いテンプレートやテーマも多く登場しており、「予算はかけられないけれどWebサイトを作りたい」という場合にもおすすめです。

色やデザイン・レイアウト等のカスタマイズも管理画面から行うことができ、HTMLやCSSを編集すればさらにオリジナリティあるWebサイトに仕上がります。

短時間で簡単に高品質なサイトが作成でき、さらにカスタマイズ性も持ち合わせたバランスの良さがCMSの大きな魅力のひとつといえるでしょう。

更新がしやすい

Webサイトは作成して終わりではありません。ほとんどのサイトでは定期的な更新を行います。

たとえば、飲食店の公式サイトだとメニューの変更や休業日のお知らせを、企業のコーポレートサイトなら実績内容の追加などをすることで、常に最新情報を訪問者に届けることができます。

こういった情報が小まめに更新されているとサイトとされていないサイトとでは、訪問者が受ける印象はもちろんのこと、SEOの面でも差が出てくるのです。

定期的に更新されている方がサイトの信頼度が高くなるため、Webサイトを作る場合は完成後の更新やコンテンツの追加に対応していけるかも考えなければいけません。

しかし実際は「業者にWebサイトを作ってもらったけれど、ちょっとした更新も毎回依頼しないといけないのが面倒……」という悩みを抱える方も多くいます。さらにはWebサイトを作成したスタッフが会社を離れ、誰も更新ができなくなってしまったというトラブルまで。

こういった問題もCMSを導入すれば解決することができ、コンテンツの修整やページの追加も管理画面から簡単に行えます。HTMLやCSSなどのコードを直接編集する必要はありません。

他にもCMSによっては予約投稿や新着・ランキングの自動更新など、便利な機能が用意されています。

これらの便利な機能を使えばさらに更新の手間も減らせるため、忙しい場合にはぜひ検討してみてください。

制作コストが抑えられる

Webサイトを作成する場合、コスト面も非常に気になるポイントです。

「CMSはお金がかかりそうだから自分で作った方が安く済む」となんとなく思っている方も多いのではないでしょうか。

しかし実際は自作の場合も制作ソフトなどの導入が必要になったり、作業に費やす時間と仕上がりのレベルを考えればコスト面で優れているとはいえません。

一方でCMSはWordPressをはじめ無料で利用できるものも多く存在します。

さらに無料でも品質が良いテンプレートなども存在するため、上手く組み合わせればコストをかけず質のいいWebサイトを作成することも可能です。

また、有料のテンプレートや機能を導入したとしても、それだけの品質のものを業者に依頼するよりは遥かにコストが抑えられます。

1から構築すれば100万円以上かかる仕様を、CMSだと数千～数万円程度で導入できるのであれば非常にお得といえるでしょう。

目的や予算にあわせて選択でき、コストパフォーマンスにも優れているのがCMSの強みです。

SEO対策に強い

SEO（Search Engine Optimization／検索エンジン最適化）とは、Webサイトを検索結果で上位に表示させるための施策を指します。

たとえば「心斎橋 美容院」といったキーワードで検索された際に、自社サイトが上位に表示されれば、それだけ多くのユーザーに閲覧される可能性が高まります。いかに優れたWebサイトを構築しても、検索結果に表示されなければ、集客や成果にはつながりません。

しかし、効果的なSEO対策を行うには、検索エンジンのアルゴリズムやトレンドを理解し、常に変化するルールに対応していく必要があります。

このような負担を軽減し、効率的なSEO対策を可能にするのがCMS（コンテンツ管理システム）の活用です。多くのCMSはSEOを意識して設計されており、基本的なSEO対応が自動的に行われるため、専門知識がなくても一定の効果が期待できます。

また、ページごとのキーワード設定、アクセス解析、画像の代替テキスト入力など、SEOに必要な機能も標準で備えているものが多く、手軽に運用できるでしょう。

便利なプラグインが豊富

便利なプラグインの豊富さもCMSを選ぶメリットのひとつです。

CMSのプラグインとは、Webサイトに便利な機能を拡張するツールのことです。

初期の状態でも必要な機能はひと通り揃っていますが、プラグインを導入することで欲しい機能をさらに便利に追加することができます。

たとえばWordPressでは膨大な量のプラグインが公開されており、その多くは無料で利用することができます。

よくあるプラグインの例をまとめてみました。

よくあるプラグインの例

他にも記事の複製や一括編集、画像の軽量化、自動翻訳、通販機能の追加などさまざまな種類のプラグインが公開されています。

これらを活用すれば、さらに好みで使いやすいWebサイトに仕上げることができるでしょう。

CMSを利用する際にはどんなプラグインを導入したいかも検討してみてください。

CMS導入のデメリットとは

CMSには魅力的なメリットがたくさんありますが、一方でデメリットもいくつか存在します。

ここからはCMSのデメリットをいくつか挙げ、その対策についても解説していきます。

カスタマイズに制限がある

まず、カスタマイズに制限があることがCMSの代表的なデメリットのひとつです。

手軽にWebサイトを構築できる機能がCMSの大きなメリットですが、その反面でデザインや機能の自由度が制限されてしまう場合があります。

ある程度カスタマイズを想定した機能は用意されているものの、複雑な表現や細かい箇所に強くこだわる場合は対応が難しくなるかもしれません。

特に自力でWebサイトを構築できるスキルのある人は、自作であればできることができないストレスを感じてしまう場合もあります。

この場合は、最初から求める機能を備えていたりカスタマイズ性の高いCMSを選ぶと良いでしょう。

また、CMSのカスタマイズを得意とする制作会社に依頼すると、理想に近いカスタマイズを行うことも可能です。

操作や機能を覚える必要がある

CMSの使用にはプログラミングなどの専門知識が不要な一方で、独自の管理画面を使った操作が必要になります。

そのため、管理画面の操作方法や機能などは覚えないといけません。

特に多機能なCMSはできることも多い分、操作や機能を覚えるのに時間がかかってしまう場合もあります。

しかし、CMSは専門家だけでなくあらゆる業種の現場でも活用されているツールです。

過剰に苦手意識を持つ必要はありません。

心配な場合は初心者でも使いやすいCMSを導入したり、わかりやすい解説動画や記事を見るなどで対策することをおすすめします。

また、スタッフなど複数人数で使う際は社内マニュアルを作成しておくとさらに安心です。

コストがかかる場合もある

無料のサービスも多く基本的に導入コストが低いのがCMSの特長ですが、どうしてもコストがかかってしまう場合もあります。

特にCMSによっては使いたい機能の多くが有料になっているケースもあり、予想以上に出費がかさんでしまうことも。

中には無料と見せかけて執拗に課金へ誘導しようとするサービスなどもあるため注意が必要です。

また、一定以上の品質や機能を求める場合は有料のテーマやプラグインの導入、専門業者への依頼が必要となる場合もあります。

なるべくコストを抑えるには事前に予算と必要な機能を照らし合わせ、それに適したサービスを調べることが大切です。

セキュリティリスクがある

CMSにはセキュリティリスクも存在します。

特に世界中で利用されているオープンソース型の無料CMSを狙ったサイバー攻撃なども確認されており、情報漏洩やサイト改ざんなどの被害も発生しています。

特に弱点が放置されたままの古いバージョンのCMSを使っていたり、セキュリティ対策をしていないサイトは被害にあいやすくなるでしょう。

これらのサイバー攻撃を防ぐには、まずCMS本体のアップデートをこまめに行い常に最新バージョンを保つことが大切です。

他にもセキュリティ対策のプラグインを入れたり、セキュリティに強いサーバーを選ぶなどの手段もあります。

また、推測しやすい簡単なパスワードや怪しいプラグインの使用なども避けるようにしてください。

予期せぬエラーが起こる場合がある

CMSを利用していると、プラグインの相性やアップデートによる不具合などで予期せぬエラーが発生してしまう場合があります。

特にプラグインを大量に利用している場合や、PHPなどで独自のカスタマイズを行っている場合は注意が必要です。

最悪の場合サイトが表示されなくなってしまうこともあり、なかなか原因が特定できず支障をきたしてしまうことも…。

エラーを防ぐためにはまず、定期的にサイトのバックアップを取っておくようにしましょう。そうすることで、エラーが起きた場合も復旧がスムーズになります。

また、むやみにプラグインを導入せず、プラグイン同士の相性を見ながら必要なものを厳選することも大切です。

とはいえ、自分でエラーを対処するのは不安だという方もいるかと思います。そんな方は、万が一エラーが起きた場合に備えて、専門知識の豊富な制作会社に保守管理を依頼するのがおすすめです。このようなエラーにも専門的に対応してもらえるので安心です。

CMSの導入がおすすめのサイトとは

実際にCMSの導入がおすすめなサイトはどのようなものがあるでしょうか？

CMSの導入がおすすめの例をピックアップしてみました。

CMSの導入がおすすめの例

サイトの種類	実例
企業サイト	大手企業や中小企業のコーポレートサイト全般
店舗サイト	飲食店、小売店、美容室、ネイルサロン、宿泊施設、医療機関など
スクール・教室サイト	学習塾、音楽教室、ダンススクール、オンライン講座など
通販サイト	アパレル、雑貨、地域の特産品、輸入品、ハンドメイドなど
情報サイト	ニュースメディア、地域情報のポータルサイト、レビューサイト、個人ブログなど

もちろんこれらの例はごく一部で、さらに幅広くさまざまな用途に利用することができます。

まず手軽に高品質なWebサイトを作れることから、企業やお店などのビジネス目的の利用には非常に適しています。

特にこのようなサイトは更新頻度も高くなるため、更新機能にも優れたCMSの導入がおすすめです。

またこれらのビジネス目的のWebサイトは需要も高いことから、業種ごとに適したテンプレートが公開されている場合もあります。

テンプレート選びをしっかり行えば、より短い時間でイメージにぴったりのWebサイトを作成できるかもしれません。

業種だけでなくターゲットの好む雰囲気も意識すればさらに効果の高いページへと仕上げることができます。

また、ネット通販をはじめたい場合もぜひCMSの導入を検討してみてください。

通販に特化したCMSツールではコンテンツ作成だけでなく商品ページや在庫の管理、顧客対応、決済などの機能も標準装備されています。

初期費用も無料または安く設定されている場合が多いため、比較的導入のハードルは低いといえるでしょう。

さらに最近は通販だけでなく、オンライン講座やダウンロード販売などでの利用も盛んになっています。

そしてCMSは大量のコンテンツを扱う情報サイトにもおすすめです。

地域情報サイトやニュースサイト、レビューサイトなどはCMSの機能を使えば効率的に見やすく更新することができます。

一般的なブログサービスは広告やロゴが入りURLも制限されることが多いですが、CMSの場合はブログのように使いながら本格的なサイト作りが可能です。

無料ツールを活用すればちょっとした趣味のブログやサイト作りも可能に。

このように、幅広い需要に適したサービスが展開されているのがCMSの良さといえます。

CMSの導入をおすすめしないケースとは

CMSはさまざまなケースで活用できるツールですが、全てのサイトに適している訳ではありません。

中にはあまり導入をおすすめしないケースもあります。

今度はCMSの導入をおすすめしないケースの例をいくつか挙げてみました。

CMSの導入をおすすめしないケースの例

まず、単独のランディングページや小規模で簡易なサイトを作る場合、CMSを使う必要性はあまりありません。

しかしランディングページ作成機能のあるCMSもあるため、複数のランディングページを作成したり運用に力を入れたい時にはおすすめです。

また公開後にほとんど更新の必要がないサイトもCMSで作成するメリットはあまりないといえるでしょう。

さらに、逆に独特なデザインや機能が必要な場合も、カスタマイズに制限のあるCMSは不向きといえます。

CMSのメリットを上回るこだわりがある時は、CMSを利用しない選択肢も考慮した方がいいかもしれません。

そして通販サイトを作成する時も、特定のモールと連携し運用した方がメリットが大きいと感じる場合はCMSが選択肢から外れます。

モールと連携すれば全体のセールやイベントに参加でき、モールの会員の流入も見込めるなどのメリットがあります。

ただ、モールを利用する場合はその分手数料や運用コストが高くつくことも多いため、予算や目的にあわせて検討するようにしてください。

CMSの種類とは

ここまではすべてのツールをCMSとして紹介しましたが、実際にはCMSにもさまざまな種類があります。

また、CMSは運用形態によって「オンプレミス型」と「クラウド型」に分かれます。

自社に最適なCMSを選ぶために、まずは種類と特徴を解説し、運用形態の違いについては後ほど詳しく説明します。

オープンソース型CMSとは

オープンソース型CMSは、ソースコードが一般に公開されているCMSです。誰でも無料で導入することができるため、CMSのなかでも最も普及率が高いのが特徴です。

利用のハードルが低いことからテンプレートやプラグインなども豊富で、導入のノウハウも広く共有されています。使いやすさとカスタマイズ性のバランスの良さではNo.1といえるでしょう。

ただし、オープンソース型CMSは利用者が多いため、セキュリティ対策をしっかり行わないとリスクが高まることがあります。公式のサポートも限定的で、運用には一定の技術知識や自己管理が求められるでしょう。

また、報量が膨大だったり特定の用途に特化したWebサイトを作成したい場合は、他のCMSが適していることもあります。

それでもオープンソースのCMSは多くのユーザーにとって使いやすく、有用な選択肢であることに変わりはありません。

ここからは代表的なオープンソース型CMSをいくつかご紹介します。

オープンソース型CMS①「WordPress」

全世界で最もシェア率が高いCMSツールがWordPressです。

CMSという単語は知らなくてもWordPressなら知っているという人も多いのではないでしょうか。

このWordPressもオープンソース型CMSに該当します。

WordPressには多くの人に選ばれるさまざまなメリットがあります。

WordPressは無料で導入ができる上、豊富なテーマやプラグインなどを利用すれば簡単に理想的なWebサイトを作成することができます。

用途も個人向けから中小規模のビジネスなど幅広い対応が可能です。

また、HTMLやCSSなどの知識がなくてもサイトを構築できる手軽さがありながら、プログラミングスキルがあれば本格的なカスタマイズができる点も魅力のひとつでしょう。

さらにオンライン上でのコミュニティや使用方法の解説などが充実しているのも嬉しいポイントです。

どのCMSを導入するか迷った場合はまずWordPressからはじめてみるのがおすすめです。

オープンソース型CMS②「EC-CUBE」

ECサイトに特化したオープンソース型CMSの中で代表的なのがEC-CUBEです。

EC-CUBEは日本で最も有名なオープンソースのECパッケージで、通販サイトの基本的な機能はひと通り揃っていながら導入は無料。

さらにカスタマイズ性にも優れており、オープンソース型のメリットを生かしたバランスの良い運用が可能です。

国産サービスであることから決済や顧客管理なども安心して行えるのもメリットです。

大手企業の自社通販サービスでもEC-CUBEが多く導入されており、通販サイトの作成を検討するならおすすめのツールといえます。

オープンソース型CMS③「Joomla!」

Joomla!（ジュームラ）は海外を中心に人気の高いオープンソース型CMSです。

無料でさまざまなテンプレートも使用でき、カスタマイズも可能なところはWordPressとも似た面があります。

WordPressと比較しJoomla!が優れている点は、カスタマイズ性の高さや多言語対応です。

グローバルに利用したり複雑で大規模なサイトを作成したい場合はJoomla!の方が向いているかもしれません。

オープンソース型CMS④「Wix」

Wixはドラッグ＆ドロップなどの簡単なマウス操作でWebサイトを構築できるオープンソース型CMSです。

直感的な操作性とデザイン性に優れており、業種や用途にあったテンプレートを選択するだけで簡単にWebサイトを作成することができます。

さらにネットショップやネット予約などの拡張機能も利用可能。

公式の電話やチャットサポートもあり、初心者におすすめのCMSツールといえます。

商用パッケージ型CMS

商用パッケージ型CMSとは、企業向けに有料で提供されるCMSのことです。

企業の商用利用を前提として開発されていることから特定の業界や用途に特化しており、ビジネス利用には最適のCMSといえます。

また、公式サポートやセキュリティ面が充実していることもメリットとなります。

一方でオープンソース型に比べてコストが高額なため、小中規模なプロジェクトには不向きかもしれません。

フルスクラッチ型CMS

フルスクラッチ型CMSとは、独自に開発する完全オリジナルのCMSのことです。

多くの人が利用する前提で作られた他のCMSと異なり、利用者側の用途やニーズにあわせたオーダーメイドのような形で開発されます。

そのため、他のCMSでは実現できない独自仕様や高度な機能を搭載でき、ユーザーにとって最も使いやすく機能的なCMSツールといえるでしょう。

ただ、フルスクラッチ型CMSの場合はその特徴から、開発に時間がかかりコストも高額になる傾向があります。

オンプレ型とクラウド型CMSの違い

CMSは「オンプレミス型」と「クラウド型（SaaS型）」の2つの運用形態に大別されます。

オンプレミス型CMSは、自社や自社が契約するサーバーにCMSをインストールし、運用・管理を自社で行います。自由にカスタマイズができる一方で、サーバーの保守やセキュリティ対策などの管理負担がかかります。また、初期導入コストや運用コストが比較的高くなる傾向があります。

一方、クラウド型CMSはベンダーが提供するクラウド環境上でCMSを利用する形態です。インフラ管理やセキュリティ対策はベンダー側が対応するため、ユーザーは手軽に導入でき、保守の負担も少なく済みます。ただし、自由度はオンプレ型より低く、カスタマイズや特殊な機能追加が制限される場合があります。

特徴	オンプレミス型CMS	クラウド型CMS
導入コスト	高い	低い
運用負担	自社で管理	ベンダーが管理
カスタマイズ性	高い	制限がある
セキュリティ管理	自社で実施	ベンダーが実施
導入までの期間	長い	短い

このように、用途や規模に応じて向き不向きがあるため、自社のリソースや要件に合わせて選ぶことが重要です。

CMSを選ぶ比較ポイントとは

CMSツールの導入にはさまざまな選択肢があるため、どれが最適なのかを事前に比較し選ぶことが重要です。

ここでは、CMSを選ぶ時に確認するべき重要なポイントをいくつか解説します。

ポイント1. 機能性

まずはCMSツールの機能が自分のサイトの目的にあっているかをチェックしてください。

これらの希望を挙げ、どのCMSが適した機能を備えているか調べ比較する必要があります。

ポイント2. 操作性

使いやすさもCMS選びの重要なポイントです。

たとえば専門知識がなくても簡単に使いたい場合は、直感的でわかりやすいインターフェースのCMSが適しています。

逆にカスタマイズ性を重視する場合は、拡張機能などにアクセスしやすいCMSが良いかもしれません。

更新を担当する人物のスキルや使用方法などを想定し、適した操作性をもつCMSを選ぶようにしましょう。

ポイント3. セキュリティ

CMSの導入を検討する場合、セキュリティ面も事前にチェックしておきましょう。

特に顧客情報を取り扱ったり、信頼性を重視するサイトは厳重なセキュリティ対策が必要となります。

安い方がいいからとセキュリティを軽視した結果、情報漏洩など取り返しのつかない問題が発生してしまうケースもあります。

導入したいCMSのセキュリティに不安がある場合は、セキュリティ対策のプラグインを入れたり専門会社に保守管理を依頼する手段もあります。

ポイント4. サポート

CMSを運用していると予期せぬトラブルに直面する場合があります。

そのため、利用者が必要なサポートが充実しているかもCMS選びの重要なポイントになります。

専門知識がなくトラブル対応が不安、問い合わせながら進めたいという場合は公式サポートが充実したCMSが適しているでしょう。

また、WordPressなど有名なオープンソース型のCMSはコミュニティやノウハウが普及しているため、サポートに頼らず解決できる場合もあります。

ポイント5. 料金

高機能で理想的なCMSほど料金も高くなってしまう傾向にあります。

かといって安さばかりを重視していても、機能が不十分だったり問題が起こってしまうようならマイナスになります。

予算を明確にした上で、必要な部分にはしっかりコストをかけることが最適な判断といえるでしょう。

コストには初期費用だけでなく、テーマやプラグインなどの拡張機能の導入や制作会社への依頼なども含みます。

「Webサイトを作りどのような結果を出したいか」

「そのためにどれだけの予算を出せるか」

主にこの2つを思い浮かべてベストな道を探ってみてください。

CMSの導入例

実際にCMSを導入している企業にはどのようなものがあるのでしょうか？

ここでは、CMSの中でも最大のシェア率を誇るWordPressを導入している大手企業の例をいくつか紹介します。

実際の活用例としてもイメージの参考にしてみてください。

ウォルトディズニーカンパニー

ディズニーやスターウォーズなどでお馴染みの世界的エンターテインメント企業であるウォルトディズニーカンパニー。

そんなウォルトディズニーカンパニーの公式サイトでもWordPressが導入されています。

サイト内では世界的大企業に相応しく、洗練されたデザイン性とブランドイメージを表現。

幅広い展開による膨大なコンテンツを扱いながら、誰でもどんなデバイスでも見やすいサイト構築を実現しています。

クックパッド株式会社

日本最大級の料理レシピ情報プラットフォームを運営しているクックパッド株式会社の公式サイトもWordPressで構築されています。

動的なアニメーションが特徴的で、親しみの持てる近未来的なデザイン性が非常に優れたサイトとなっています。

このような高品質なデザインもWordPressのカスタマイズにより実現が可能です。

顧客向け、投資家向けのお知らせなど多様なコンテンツの更新も見やすく表示されています。

JOYSOUND直営店

最後にご紹介するのは、カラオケ事業を展開するJOYSOUNDの直営店サイトです。

お店の最新情報や店舗検索・予約、チャットサポートや多言語対応などさまざまな機能が実装されています。

スマートフォンから検索するユーザーを想定したレスポンシブ設定もしっかり対応。

WordPressを使えば、これだけの機能を備えたWebサイトを作ることもできます。

CMS導入の流れ

「CMSを導入したいけど、どのような手順で進めればいいかわからない……」

そのような場合も、事前にCMSの導入に適した流れを把握し進めれば安心です。

ここからは、CMSを導入するための流れを見ていきましょう。

CMS導入の流れの例

CMSを導入する場合、はじめにどのようなサイトを作りたいかを明確にします。

ここで、自身が経営するカフェのWebサイトを作りたい場合を例にあげて考えていきましょう。

さいごに

CMSの特徴を理解し活用すれば、Webサイトの作成や運営を格段とレベルアップさせることができます。

希望やスキル、予算などにあわせてさまざまな選択肢があるため、自分にあったCMSを選ぶことが成功の鍵となります。

「どんなCMSを選べばいいかわからない……」

「CMSの使い方が不安……」

そんな場合は、CMSに強い制作会社に相談してみることもおすすめです。