現役デザイナーが教えるLP(ランディングページ)の作り方!作成時の注意点やコツも
ネット上で商品やサービスを販売したい時、重要な役割を持つLP(ランディングページ)。
たとえ同じ商品を扱うLPでも、作り方次第で成果に非常に大きな差がつきます。
「LPを作りたいけど何から始めればいい?」
「もっと売上に繋がるLPの作り方を知りたい!」
今回はそんな方に向け、現役デザイナーが効果的なLPの作り方やコツを解説していきます!
LP(ランディングページ)とは
LPはランディングページの略称で、訪問者が最初に辿り着くページのこと。
一般的には広告やリンク、検索結果などをクリックすると表示される、商品やサービスを紹介した1枚の縦長のページを指します。
LPがあれば、ユーザー側と提供側で以下のようなメリットが得られます。
- ユーザー側のメリット
興味のある情報を効率的に得ることができる - 提供側のメリット
商品やサービスの販売へ繋げることができる
しかし、LPの作り方を理解せず商品の情報を載せただけのページを作っても、全く効果が出ず無駄になってしまうことも……
本当に効果のあるLPを作るには、LPの正しい作り方やコツを理解しておくことがとても大切です。
LP(ランディングページ)の作り方|8つの手順
世の中には様々な種類のLPがありますが、基本的にはどのLPも同じ手順で作成されています。そんなLP制作の流れを大きく分けると下記の8手順。
- 目的を設定
- ターゲットを選定
- 訴求軸を決定
- 構成の作成
- ライティング
- デザインの作成
- コーディング
- 公開
ここからは、上記8つの手順に沿いながら具体的なLPの作り方を解説していきます。
手順1. 目的を設定
LPを作りはじめる前に、まず「このLPで何をしたいのか」という目的を設定します。
目的が明確に定まっていないと制作段階でブレが生じ、結局誰の心にも刺さらないページになってしまいます。
そのため、LPを作る目的は「商品(サービス)をどうしたいか」という視点で考えると決めやすく効果的です。
- 商品の購入を増やす
- 資料の請求を促す
- メルマガの登録に繋げる
- ブランドの認知を上げる
また、したいことが多いとついあれもこれもとなってしまいがちですが、目的はできるだけ1つのLPにつき1つに絞ることが重要です。
1か所にあらゆる情報や誘導が詰め込まれていると、ユーザーはかえって迷ってしまい魅力を感じにくくなるでしょう。
まずは、シンプルかつ明確な目的を1つ設定してみてください。
手順2. ターゲットを選定
LP作成の目的が決まれば、次はターゲットの選定を行いましょう。
ターゲットを絞るときは、年齢や性別、職業、趣味嗜好など、具体的なペルソナを設定することで、より訴求力の高いコンテンツが作成可能です。
もし同じサービスを紹介していたとしても、それを見るユーザーが「定年したシニア男性」と「幼稚園に通う子供を持つ母親」では、訴求やデザインが大きく変わってきます。
そのため、具体的なターゲット像を1つ作り上げ、その人物に向けて発信することがLPマーケティングのセオリーなのです。
- 名前:佐藤 美咲(さとう みさき)
- 年齢:34歳
- 職業:営業職(フルタイム勤務)
- 家族構成:独身、都内で一人暮らし
- 年収:400万円
- 居住地:東京都渋谷区
- 趣味:ヨガ、SNSチェック、美容関連の情報収集
- 悩み:置き換えダイエットを試したことはあるが、空腹感に耐えられなかった
ここで考えたターゲットがLPに辿り着き、先ほど定めた目的の達成に結びつくイメージを描いて制作を進めてください。
手順3. 訴求軸を決定
目的とターゲットの次は訴求軸を決定します。
訴求軸には商品やサービスのセールスポイント(強み)の中で最も軸になりそうなもの、ユーザーにアピールしたいポイントを選んでください。
- 品質(機能性、丈夫さ、効果など)
- 価格(業界最安値、初回限定価格など)
- 限定(先着5名、冬季限定など)
- トレンド(メディアで紹介、口コミなど)
- 贅沢(希少部位、ブランド価値など)
注意点としては、複数の訴求を同時に押し出さないこと。1つの軸に絞り、一貫したメッセージを伝えることが重要です。
また、訴求軸を決めるには自分の商品やサービスをよく知ることはもちろん、競合との比較やターゲットが求めるものを洗い出すことが必要です。
手順4. 構成の作成
ここまで準備ができたら構成の作成を行います。
LPの作成において何をどのような順番で伝えるかはとても重要です。
たとえば最初にユーザーがあまり興味の持てない内容を載せても、多くのユーザーはそこで離脱してしまい先に進んでもらうことはできません。
そのため効果的なLPを作成するには、ユーザーの心を掴み目的のゴールへ結びつける形で構成を作る必要があります。
構成の作り方の例
最初にキャッチコピーで目を引き、その後に「自分のことだ!」と共感させることで興味を引きます。
続いて、相手の関心を掴んだら具体的なメリット、口コミや販売実績などで信頼感を与えます。
そして、商品(サービス)に関する疑問を解消した後、最後に行動喚起という流れがLPのセオリーです。
注意点としては、伝えたいことを盛り込みすぎて読み進めにくい構成になってしまうこと。
ユーザーの興味を維持するためにも、視覚的に見やすいレイアウトとシンプルな構造を心掛けてください。
手順5. ライティング
ここからはLPに掲載する文章を作成するライティング作業を行います。
ライティングの作業の中で最も重要なのはキャッチコピーの作成です。
せっかくLPに辿り着いても全てのユーザーが全ての説明文を読んでくれる訳ではありません。
むしろそこから読み進めるかどうかに関しては、一瞬目に入ったキャッチコピーが非常に大きな影響力を持っています。
このキャッチコピーはじっくり時間をかけて練り、その他の文章も専門用語や難しい表現を避け、読みやすくユーザーの関心を惹ける内容を心がけましょう。
手順6. デザインの作成
ライティングも完了したら、いよいよLP全体のデザインを作成します。
LP制作の場合はただ優れたデザインにする以上に、ユーザー目線でわかりやすく魅力的なデザインを意識することが重要です。
- 一瞬で伝わるファーストビュー
- 魅力的に感じる写真や素材選び
- 読みやすいテキスト(色やサイズなど)
- ボタンは目立つデザインと位置に
- 表やイラスト、リスト等を使いメリハリをつける
なお、デザインが派手すぎて内容の訴求が埋もれないように注意しましょう。
手順7. コーディング
続いて、出来上がったデザインをブラウザで見られるようにするコーディング作業を行います。
コーディングの際は、同じデザインでもコーディングの方法により、表示スピードやブラウザごとの細かい見え方が変わる点には気を付けましょう。
例えば、画像の圧縮を行わずにそのまま挿入したり、JavaScriptでのアニメーションを多用すると、ページの読み込みが遅くなります。また、CSSの書き方によってはブラウザによって余白のズレが発生することも。
このように、コーディングには最低でもHTMLやCSSなどの専門的な知識が必要です。
しかし、最近ではコーディングの技術が不要なLP作成ツールも登場しているので、コーディング経験がなくてもLP作成に挑戦しやすいでしょう。
ツールについてはこの記事の後半で改めて紹介します。
手順8. 公開
コーディングと最終チェックが終われば、LPの公開となります。
公開後は、アクセス解析ツールを活用してユーザーの動向を分析し、改善点を見つけるのがポイントです。
また、公開後も正しく表示されているかなどのチェックを行い、必要に応じて修整や改善を行ってください。
LP(ランディングページ)作成のコツと注意点
せっかくLPを作るからには、より成果を上げられるページに仕上げたいですよね。
ここからは質の高いLPの作り方についてのコツや注意点を紹介します!
ユーザーファーストで考える
まず第一に大切なのは、ユーザーファーストで考えること。
当たり前のことかもしれませんが、忙しい中で作業を進めていると意外と見落としがちなポイントです。
いくら商品に自信があるからと強気で宣伝しても、ユーザーに魅力が伝わらなければ「欲しい」とは思ってもらえません。
「こんなにいい商品なのになぜ売れないのか」と悩む原因の多くは、このユーザーファーストができていないからだと言えます。
ユーザーファーストができていない例・できている例
LP自体がユーザーにとって見やすいか、一瞬で興味を惹き読み進めたくなる仕掛けがあるか、最後に安心して成約したいと思えるかなど……
制作チーム外の人物にユーザー目線でチェックしてもらうことも効果的です。
競合分析を行う
競合分析をしっかり行うことも、より良いLP作りには欠かせません。
ユーザーはネットで商品を購入する際、複数の商品を比較し検討することが多くあります。
その際、せっかく作ったLPが他社と差別化できていなかったり、他社に比べて見劣りするようでは成約に結びつけることが難しくなります。
できればLPを作る前に競合分析を行い、LPで販売したい商品やサービスの強みを見つけるようにしてください。
また、直接的な競合以外でもターゲット層が似たLPを調査し分析することは有効的なアイデアの発掘に繋がります。
リサーチや分析によるインプットは常に積極的に行うようにしましょう。
レスポンシブ対応を行う
スマートフォンやタブレットが広く普及している現代では、LPのレスポンシブ対応は必須です。
特にありがちなのは制作側がページをパソコンでばかりチェックしているため、スマートフォン対応が満足に出来ていないことです。
特に消費者向けのLPの場合、スマートフォンでページを閲覧するユーザーの方が多い傾向にあります。
レスポンシブ対応を欠かさないと同時に、ターゲットの閲覧環境を予測し最適な表示を心がけてください。
ファーストビューに力を入れる
ファーストビューとは、ユーザーがページを開いて最初に目にする箇所のことです。
LPのファーストビューの直帰率は約80%前後と非常に高く、ここで興味を惹かれなければ多くの人がそのままLPを読まずに離脱してしまいます。
そのため、このファーストビューがLPの成果を最も大きく左右する存在とも言えるのです。
つまり、ファーストビューはページを開いた数秒で伝えたいことが全て明確に伝わり、ユーザーが更に読み進めたいと思えるほど魅力的なものでなければいけません。
魅力的なファーストビューの例
とくに、「製品を成約する見込みのあるユーザー」の心を掴むファーストビューを心がけるとより効果的です。
集客面も意識する
せっかく手をかけて完璧に仕上げたLPも、ユーザーの目に届かなければ意味がありません。
LP制作はコンテンツを作る以外に集客面を意識することも重要です。
- 検索エンジンの検索結果
- リスティング広告
- バナー広告
- SNS広告
- SNS運用による拡散
- インフルエンサーの紹介
LPの作り方で選定したターゲットは、集客方法を絞り込む時にも効果的です。
また特定のSNSやメディアなど強い集客元がある場合は、集客元の特性を生かしたLP作りを行い成約率を上げる方法もあります。
効果測定と継続的な改善を行う
LP制作は公開すれば全てが完了という訳ではありません。
LPの効果を引き出すには、公開後もユーザーの動きや反応をチェックし改善を重ねていく必要があります。
この公開後のブラッシュアップが他のLPに大きく差をつけるといっても過言ではありません。
そのため、LPは公開がゴールではなくスタート地点であるとも言えます。
ぜひABテストや効果測定ツールなどを導入して公開後のチェックやメンテナンスも継続するようにしてください。
LP(ランディングページ)の制作手段
ここまではLPの作り方やコツを解説してきました。
「LPの作り方はわかったけど、実際に作るにはどういう方法があるの?」
「自分で作れる?」
「外注したらどれくらい?」
など、LPの作成経験がない場合は様々な疑問があるかと思います。
また過去にLPを作成したことがあっても、他にもっといい作り方があれば知りたいという場合もあるかもしれません。
ここからは、主なLPの制作手段をいくつか解説します。
社内または個人で自作する
LPを自作する場合のメリット・デメリット、費用相場は次のとおりです。
メリット |
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デメリット |
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費用の目安 | 0円またはサーバー代、ソフトウェア代など |
社内にWeb制作ができるスタッフがいたり、自分に知識がある場合は自作してみるのも一つの手段です。
LP特有の作り方のコツはありますが、基本的な作成手順はホームページと変わりありません。
そのため、自作をすれば制作費などのコストも最低限しか発生せず、好きなデザインや内容で作成することができます。
さらに、自作してしまえば更新方法を学んだり依頼する必要もなくなるため、その後の更新や修正も簡単です。
ただし、LPを自作するにはある程度Webの専門知識が必要なので、時間がかかりすぎて他の業務に影響が出たり、完成してもLPとして満足な仕上がりにならないこともあるでしょう。
また、日々知識のアップデートが必要なSEO対策やトラブル対策もに対応できないケースに悩まされることもあるかもしれません。
自作LPは安くて自由な分、様々なリスクがあることは理解した上で検討してください。
LP(ランディングページ)作成ツールを使う
LP作成ツールを使用した場合のメリット・デメリット、費用相場は次のとおりです。
メリット |
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デメリット |
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費用の目安 | 0円または月額使用料 |
LP作成ツールは用意されたテンプレートをもとにテキストや画像を組み合わせLPを作れるツールです。
特にペライチやStudioなどのノーコードツールが人気で、専門知識がない人でも綺麗なデザインのページを簡単に作ることができます。
最初にツールの使い方を覚える必要はありますが、使い慣れればその後の更新も比較的自由に行えるでしょう。
有料プランでも基本的に決まった月額費用のみで使用ができるため、まとまった予算がない場合にも適した制作方法です。
ただし、LP作成ツールでは「この機能を入れたい」「こんなデザインにしたい」と思っても、ツールの仕様で諦めなければならないことも多々あります。
また、有料プランを契約した場合は、ページの維持のために月額料金を払い続ける必要もあり、長く見ると一番割高になるかもしれません。
無料プランの場合でも、できることが限られていたり広告が多く入ったり、運営元が悪質な場合はトラブルなどのリスクも考えられます。
最悪の場合、利用しているLP作成ツールのサービスが終了となり、せっかく作ったページが使えなくなる恐れもあるでしょう。
こちらもメリットとデメリットをしっかり理解し、契約前によく検討するようにしてください。
フリーランスに依頼する
フリーランスに依頼した場合のメリット・デメリット、費用相場は次のとおりです。
メリット |
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デメリット |
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費用の目安 | 制作代、保守管理費用、更新料など |
大きくはWeb制作会社への依頼と似ていますが、特徴が異なる部分もいくつかあります。
フリーランスは企業ではなく個人のためコストは安めになる傾向があります。
方針も個人の判断で決められるので、Web制作会社より融通がきくケースも。
またトップクラスのフリーランスには1人でWeb制作会社並の品質に仕上げられる凄腕の持ち主も存在します。
ただ、フリーランスの場合はWeb制作会社以上にレベルの差が大きいリスクもあります。
安いからと依頼してみれば使える品質でなかったり、あとから仕様に問題が発覚する場合も少なくありません。
さらに悪質な場合は音信不通になったり支払トラブルへと発展してしまうこともあります。
はじめてフリーランスへ依頼を行う時は、信頼できる口コミを調査するなど慎重に検討しましょう。
Web制作会社に依頼する
Web制作会社に依頼する場合のメリット・デメリット、費用相場は次のとおりです。
メリット |
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デメリット |
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費用の目安 | 制作代、保守管理費用、更新料など |
トップクラスの実績をあげているLPは、自社で優秀な制作チームを抱えていない限りWeb制作会社に依頼しているケースがほとんどです。
やはり品質の高さを求めるとなると、Web制作会社に依頼するのが一番手っ取り早いからです。
Web制作会社は制作経験も豊富であらゆる知識やノウハウが共有されており、それぞれのスペシャリストを抱えたチームでの制作となります。
結果を出せるLPの作り方を熟知しているWeb制作会社なら、最終的に満足できる仕上がりになる可能性は一番高いでしょう。
また、対企業との取引になるので、金銭トラブルや詐欺などにあう確率が低いことも安心して作成依頼ができる理由の一つです。
一方でWeb制作会社に依頼する一番のデメリットは、コストの高さがあげられます。
品質が高い分割高になる傾向があり、予算が限られる場合は依頼が難しいかもしれません。
また、Web制作会社といっても会社によってレベルは様々です。
依頼前に制作実績やブログを確認したり、気になる点は事前に質問するなどして、契約は慎重に進めましょう。
さらに契約によっては更新や管理費用が別途発生する場合があるため、こちらも希望にあった内容かどうか確認する必要があります。
どうしてもコストが高くなりがちなWeb制作会社への依頼ですが、LPの場合は成約に繋がればかけたコスト以上の収入を得ることも可能です。
LPに力を入れ本気で商品やサービスを宣伝したい場合はWeb制作会社への依頼をおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
同じ商品やサービスを紹介していても、LPの仕上がりによって成果は大きく変わってきます。
LP制作はいかにユーザーの心を掴んで動かせるかが勝負です。
さらにLPが完成すれば終わりではなく、その後も根気強く分析と改善を繰り返していくことでより成果の出るページへと成長していきます。
LP制作に関するお悩みがありましたら、ぜひI-SEEDへお気軽にご相談ください!