Visual Basicとは?特徴やできること、基本文法を初心者向けに解説

visual-basic:アイキャッチ

「Visual Basic」は、Windowsデスクトップアプリ開発において定番のプログラミング言語です。

名前を聞いたことがあっても、「具体的に何ができるの?」と疑問を持つ方も多いはず。

そこで今回は、Visual Basicとは何か(特徴やできること)、初心者が覚えたい基本構文などを解説します!

「Visual Basicのことがもっと知りたい!」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

Visual Basicとは?

Visual Basic(略称:VB)とは、マイクロソフトが開発したWindows向けのプログラミング言語です。

Visual Basicは、旧世代の「VB6以前」と、現世代の「VB.NET」の2種類に分けられます。

VB6以前とVB.NETの違い
  • VB6以前(旧世代)
    • 初版が 1991年に登場し、Windowsの普及とともに発展。最終版のVB6は2008年に開発環境(IDE)のサポートが終了しており、現在は「VB.NET」への移行が必須。
  • VB.NET(現世代)
    • 2002年に登場し、「.NET(アプリ開発・実行プラットフォーム)」で動くよう再設計された言語。旧世代との互換性はなく、Windowsデスクトップアプリ開発の標準的な言語の1つとなっている。

現在「Visual Basic」と言えば、「VB.NET」を指すのが一般的です。

なお、この記事でも基本的には「Visual Basic=VB.NET」として扱っています。

VBとVBAの違い

Visual Basicと間違われやすい言語に、「Visual Basic for Applications(VBA)」があります。

VBAとは、マイクロソフトによってVisual Basicをベースに開発された、特定のアプリを操作するためのマクロ言語です。

文法はVisual Basicとほぼ同じですが、目的や開発環境は異なります。

VB (VB.NET)VBA
目的独立したアプリを作るOfficeの作業を自動化する
環境Visual Studioが必要Officeがあればすぐ使える
実行単体で動くExcelなどのアプリ内で動く

とりあえず、「アプリを作りたいならVB」、「Excel作業を楽にしたいならVBA」と覚えればOKです!

Visual Basicの特徴とメリット

ここからは、Visual Basicの主な特徴とメリットを紹介します。

開発スピードが圧倒的に速い

Visual Basicは、アプリを素早く形にする「RAD(高速開発)」が得意です。

スピーディーな開発が可能な理由
  • マウス操作で画面が作れる
    • 開発ツールの「Visual Studio」を使えば、ボタンや入力欄などのアプリの見た目(UI)をマウスのドラッグ&ドロップで作れる
  • ダブルクリックで機能を追加
    • 設置したボタンをダブルクリックすれば、そのボタンが押された時の処理(コード)を書く場所が自動で作られる

「コードだけで画面を作る」という難しい工程が不要で、初心者でも短期間で「直感的な操作ができるアプリ(GUIアプリ)開発」ができます!

学習コストの低さ

Visual Basicは、プログラミング言語の中でも習得しやすい言語です。

Visual Basicが学びやすい理由
  • 英語に近いシンプルな文法
    • もともと初心者向けに作られた「BASIC」がベースなので、構文がシンプル
  • ミスをサポートしてくれる環境
    • 開発ツール「Visual Studio」にはコードを書くための支援機能が充実している
  • 情報が豊富
    • 歴史が長いため関連書籍や学習サイトも多い

「まずは動くものを早く作りたい!」という方にとって、最適な入門言語と言えるでしょう。

Windowsとの親和性

Windowsの開発元であるマイクロソフト製の言語ということもあり、Windows OSとの相性は抜群です。

開発工程のすべてをWindows上で完結できるほか、OSの新機能もいち早く取り入れられるため、安定した開発環境を構築できます。

また、ExcelやWordなどのOffice製品との連携にも優れており、Officeと連携したシステムをスムーズに構築できる点もメリットです。

Windows環境を主体としており、日常的にOffice製品を利用している企業では、こうした強みを活かした開発がしやすいでしょう。

公式ならではの強力なサポート

Visual Basicはマイクロソフトの公式言語であり、開発元による直接のサポートがあるため安心です。

安心できる理由
  • 最新OSへの対応
    • 新しいWindowsが登場しても、互換性が維持されるようアップデートが行われる
  • 定期的なセキュリティアップデート
    • 作成したアプリを長く安全に使い続けられる
  • 抜群の安定性
    • 現在は「新機能の追加」よりも「安定性の維持」に注力されているため、言語仕様がひんぱんに変わる心配がなく、じっくり学習に取り組める

「せっかく覚えたのに使えなくなってしまった…」というリスクが低く、将来にわたって安定して運用できるのが魅力です。

Visual Basicでできること(主な用途)

ここからは、Visual Basicでできることを紹介します。

Windowsデスクトップアプリ(業務ツール)

Visual Basicがもっとも得意なのが、Windowsデスクトップアプリの開発です。

すでに説明した通り、Visual Basicは、ボタンや入力欄がある「操作画面」をマウス操作で簡単に作れるため、スピーディーに開発できます。

Windowsデスクトップアプリの中でも、特に「業務ツール」に適しているでしょう。

Visual Basicで作れる業務ツール
  • 顧客管理システム
  • 在庫管理アプリ
  • ラベル印刷ソフト etc…

「現場で今すぐ必要なツール」を形にする力は、プログラミング言語の中でもトップクラスです!

Microsoft Officeとの連携ツール

Visual BasicはOfficeと連携して、ExcelやWordを外側から操るツールを作れます。

例えば、大量のExcelファイルからデータを一瞬で集計したり、Wordで複雑な帳票を自動生成したりなど。

ちなみに、VBAもOfficeアプリの自動化や機能拡張が可能ですが、VBAは基本的にOffice内でしか動きません。

対して、Visual Basicは外から操作できます。

また、データ処理のパフォーマンスや大規模ライブラリの活用という点では、Visual Basicのほうが有利です。

コンソールアプリ(自動化ツール)

Visual Basicは、文字だけで操作する「コンソールアプリ」開発にも使われます。

コンソールアプリは見た目が「黒い画面」のシンプルなアプリですが、画面デザイン(UI)を考えなくていいぶん、データ処理やファイル操作などに集中できるのがメリット!

特に単機能の自動化ツールに向いています。

Visual Basicで作れる単機能の自動化ツール例
  • ファイルの拡張子を一括変更
  • デスクトップにたまったファイルを種類ごとに自動でフォルダ分け
  • 大量のテキストデータから特定の文字を探して抽出

手作業を自動化することで人為的なミスが減り、業務を効率化できるでしょう!

Windowsサービス(バックグラウンド動作)

Visual Basicは、パソコンの裏側で動き続ける、Windowsサービス開発も得意です。

バックグラウンド動作とは、人がログインして操作しなくても、パソコンが起動している間は動作し続けるのが特徴。

Visual Basicで作れるバックグラウンドシステム
  • システム監視:24時間体制でエラーが起きていないかチェック
  • 定期バックアップ:決まった時間に自動でファイルを保存
  • データの同期:外部サーバーと定期的に情報をやり取り

このように、「裏方」として自動で働き続ける仕組みを作りたいときにも、Visual Basicはおすすめです!

Visual Basic開発環境の構築手順

Visual Basicを利用するには、開発ツールの「Visual Studio」をインストールする必要があります。

Visual Studioのインストール手順
  • 公式サイトにアクセスし、最新版をダウンロード
    • 学習・個人用なら「community(無料版)」がおすすめ
  • インストーラを実行
    • ダウンロードしたファイルを開き、画面の指示に従って「続行」をクリック
  • 「.NETデスクトップ開発」を選択
    • インストール項目の一覧が出てくるので、「.NET デスクトップ開発」にチェックを入れる
  • インストール開始
    • 右下の「インストール」ボタンをクリック
  • インストール完了

インストールが完了すれば、Visual Basicの開発に必要な機能がすべてそろいますよ。

Visual Basicの基本的な文法

ここからは、初心者がまず覚えたいVisual Basicの基本的な文法を紹介します。

サンプルコードも一緒に紹介するので、実際にコードを書きながら理解していきましょう。

Visual Basicの基本の形

まずは、Visual Basicの基本的なプログラム構造を見てみましょう。

Visual Basicでは、コードをまとめる「Module」や、プログラムの処理を記述する「Sub」「Function」などを使ってプログラムを構成します。また、コードの中にコメントを記述して、処理の内容をメモとして残すこともできます。

コンソールアプリケーションで使われる基本的な形は、次の通りです。

Visual Basicの基本の形
Module Module1
' メインプロシージャ:ここからプログラムが動く
Sub Main()
' ここに命令(コード)を書く
End Sub
End Module

「Sub Main()」は、コンソールアプリケーションなどでプログラムの開始点となるプロシージャです。

なお、Visual Basicでは、プログラムの種類や設定によって「Sub Main()」を明示的に記述しない場合もあります。まずは「Moduleの中に処理をまとめ、SubやFunctionなどのプロシージャに具体的な処理を書く」と覚えておくとよいでしょう。

また、コードの先頭に「’」を付けるとコメントとして扱われます。コメントはプログラムの実行には影響せず、コードの説明やメモを残すために使用します。

変数

変数とは、数値や文字などのデータを一時的に保存するための、「名前付きの箱」のようなものです。

Visual Basicで変数を宣言するときは「Dim」キーワードを使い、「As」キーワードでデータ型を指定します。

変数宣言の基本構文
Dim 変数名 As データ型

宣言した変数にデータを入れるときは、「=」を使って値を代入します。

変数宣言の具体例と代入

例1)

Dim count As Integer ' 数値を入れる「count」を宣言
count = 10 ' 10を代入

例2)

Dim message As String = "こんにちは" ' 宣言と同時に文字を代入することも可能

「Integer」は整数、「String」は文字列を扱うデータ型です。

Visual Basicでは、変数を宣言するとデータ型に応じた初期値が設定されます。たとえば、数値型は「0」、Boolean型は「False」が初期値です。

変数名には、「何を入れる変数なのか」がひと目でわかる名前を付けると、コードを読みやすくできます。

主要なデータ型

Visual Basicには、さまざまなデータ型が用意されています。まずは、よく使われる以下のデータ型を覚えておきましょう。

データ型概要
Integer(整数型)整数を扱うデータ型(例:100)
Double(倍精度浮動小数点型)小数点を含む数値など、浮動小数点数を扱うデータ型(例:3.14)
String(文字列型)文字や文章を扱うデータ型。文字列は「” “」で囲む(例:”こんにちは”)
Boolean(論理型)True(真)またはFalse(偽)の2つの値を扱うデータ型
Date(日付型)日付や時刻を扱うデータ型。日付リテラルは「#2025/12/19#」のように記述できる

まずは「整数はInteger、文字列はString、真偽値はBoolean」から覚えるとよいでしょう。

コンソール入出力

コンソール入出力とは、プログラムの結果を画面に表示したり、キーボードから入力を受け取ったりする処理のことです。

Visual Basicでは、コンソールへの出力に「Console.WriteLine」、入力の受け取りに「Console.ReadLine」を使います。

コンソール入出力の基本構文

コンソール入力の基本構文

変数 = Console.ReadLine()

コンソール出力の基本構文

Console.WriteLine(表示したい内容)

これらを組み合わせることで、ユーザーから入力を受け取り、その内容を使って結果を表示する対話的なプログラムを作れます。

コンソール入出力の具体例
Console.WriteLine("あなたのお名前は?") ' 画面に問いかける

Dim name As String = Console.ReadLine() ' 入力を待って変数に保存

Console.WriteLine("こんにちは、" & name & "さん!") ' 名前を使って表示

このコードでは、ユーザーに名前を入力してもらい、その名前を使って挨拶を表示しています。

なお、「Console.ReadLine()」で受け取る入力は文字列です。数値として扱いたい場合は、必要に応じて数値型への変換が必要になります。

演算子

演算子とは、変数や値に対して、計算や比較などの操作を行うための記号です。

Visual Basicには、主に以下のような演算子があります。

演算子の種類記号・意味
算術演算子+:足す
-:引く
*:掛ける
/:割る
\:整数除算
比較演算子
=:等しい
<>:等しくない
>:より大きい
<:より小さい
>=:以上
<=:以下
連結演算子&:文字列を結合する

たとえば、次のように「&」を使うと文字列を結合できます。

文字列の結合例
"こんにちは" & name

また、比較演算子はIf文などの条件判定で使用します。比較した結果は「True」または「False」で返されます。

条件分岐

条件分岐とは、条件に応じて処理を切り替える仕組みです。

Visual Basicでは、「もし条件を満たしていればAをする。満たしていなければBをする」といった処理を行う「If文」がよく使われます。

If文の基本構文
If 条件式 Then
' 条件が正しい(True)ときの処理
Else
' 条件が正しくない(False)ときの処理
End If

続いて、具体例を見てみましょう。

If文の具体例
Dim score As Integer = 85

If score >= 80 Then
' 80点以上の場合
Console.WriteLine("合格です!")
Else
' 80点未満の場合
Console.WriteLine("不合格です。")
End If

このコードでは、変数「score」に「85」が代入されています。

「score >= 80」という条件を満たしているため、「合格です!」と表示されます。

繰り返し処理

繰り返し処理とは、同じ処理を複数回実行する仕組みです。

Visual Basicでは、繰り返し処理に「For~Next」や「Do While~Loop」などを使用します。

For~Next文

For~Next文は、指定した範囲の値を順番に変化させながら、処理を繰り返す文法です。

For~Nextの基本構文
For カウンター変数 = 開始値 To 終了値
' 繰り返したい処理
Next

「カウンター変数」は、繰り返しの中で値を変化させる変数です。「i」や「j」などの名前がよく使われます。

「To」は、開始値から終了値までの範囲を指定するときに使用します。

具体例を見てみましょう。

For~Nextの具体例
' iが1から5になるまで繰り返す
For i As Integer = 1 To 5
Console.WriteLine($"カウント: {i}")
Next

このコードでは、iの値が1、2、3、4、5と変化しながら、同じ処理を計5回繰り返します。

Do While~Loop文

Do While~Loop文は、指定した条件を満たしている間、処理を繰り返す文法です。

Do While~Loopの基本構文
Do While 条件式
' 条件が正しい(True)の間、繰り返したい処理
Loop

具体例を見てみましょう。

Do While~Loopの具体例
Dim count As Integer = 0

Do While count < 3
Console.WriteLine("現在の値: " & count)
count = count + 1 ' countを増やして終了条件を作る
Loop

このコードでは、countが0、1、2のときに処理を実行し、countが3になると条件がFalseになってループを終了します。

条件がずっとTrueのままだと、処理が止まらない「無限ループ」になる可能性があります。そのため、ループの中で条件がFalseになるように、変数の値を変化させるなどの処理を入れることが大切です。

プロシージャ

プロシージャとは、特定の処理をひとまとまりにしたコードのことです。

プログラムを処理ごとに小分けにすることで、コードを整理したり、同じ処理を繰り返し利用したりしやすくなります。

Visual Basicでは、主に「Subプロシージャ」と「Functionプロシージャ」を使います。

Subプロシージャ

Subプロシージャは、戻り値を返さない処理のまとまりです。

画面への表示やファイルの保存など、何らかの処理を実行する目的で使用します。

Subプロシージャの基本構文
Sub プロシージャ名(引数 As データ型)
' 実行したい処理をここに書く
End Sub

引数とは、プロシージャに処理に必要なデータを渡すためのものです。引数が不要な場合は、「Sub プロシージャ名()」のようにカッコ内を空にします。

具体例を見てみましょう。

Subプロシージャの具体例
' 定義:nameを受け取って挨拶を表示する
Sub GreetUser(name As String)
Console.WriteLine($"こんにちは、{name}さん!")
End Sub

この「GreetUser」プロシージャは、受け取った名前を使って挨拶を表示する処理をまとめたものです。

定義したプロシージャは、別の処理から呼び出して実行できます。

Subプロシージャの呼び出し
GreetUser("田中")

この場合、「GreetUser(“田中”)」によってGreetUserプロシージャが呼び出され、「こんにちは、田中さん!」と表示されます。

Functionプロシージャ

Functionプロシージャは、処理の結果として「戻り値」を返すプロシージャです。

計算結果など、処理した結果を呼び出し元で利用したい場合に使用します。

Functionプロシージャの基本構文
Function 関数名(引数 As データ型) As 戻り値のデータ型
' 処理を書く
Return 戻したい値
End Function

「As 戻り値のデータ型」では、このFunctionプロシージャが最終的に返すデータの型を指定します。

「Return」は、計算結果などの値を呼び出し元に返すために使用します。

具体例を見てみましょう。

Functionプロシージャの具体例
' 定義:2つの数字を足して合計を返す
Function Add(a As Integer, b As Integer) As Integer
Return a + b
End Function

この「Add」プロシージャは、2つの整数を受け取り、その合計を返します。

呼び出すときは、次のように記述します。

Functionプロシージャの呼び出し
Dim result As Integer = Add(10, 20)
Console.WriteLine(result) ' 30が表示される

「Add(10, 20)」を実行すると、10と20を足した「30」が返され、その値が変数「result」に保存されます。その後、「Console.WriteLine(result)」によって「30」が表示されます。

まとめ

今回は、Visual Basic(特に現行のVB.NET)について、特徴や基本構文などを解説しました。

Visual Basicは、Windows環境において抜群の安定性と開発スピードを誇る言語です!

「長年使っている社内システムを最新環境へリニューアルしたい」「Office連携を駆使した業務ツールを開発したい」といった場合は、Visual Basicの強みを活かした確実なシステム構築ができるでしょう。

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