200種類以上存在するプログラミング言語の中でも、「PHP」は高い人気を誇る言語の1つ。
PHPは主にWeb開発で使われますが、「どのような特徴があり、できることは何か」詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、PHPの基礎知識として以下の内容を解説します。
- PHPの特徴
- PHPでできること・できないこと
- PHPとHTML・JavaScriptの違い
- PHPの基本ルールと構文
PHPへの理解を深めたい方・PHPを使ったWeb開発をしてみたい方は、ぜひ最後までご覧ください!
PHPとは
PHP(PHP:Hypertext Preprocessor)とは、カナダ人のプログラマーであるラスマス・ラードフ氏によって、1995年に開発されたプログラミング言語です。
PHP開発のきっかけは、ラスマス・ラードフ氏が自身のWebサイトでアクセス状況を追跡するためのプログラムとして、「Personal Home Page Tools(PHP Tools)」を作ったのが始まり。
その後、データベースへのアクセス機能などを追加し、「PHP Tools」を1995年にオープンソースとして公開されました。
そんなPHPはWeb開発に特化した言語として進化し、特に動的なWebサイトやWebアプリケーションの開発でよく利用されています。
PHPで作られた代表的なWEBサービス
PHPで作られた有名なサービスは以下の通り。
- WordPress:世界でトップのシェア率を誇るCMS
- Wikipedia:誰でも自由に閲覧・編集できるオンライン百科事典
- ココナラ:個人のスキルを売り買いできるフリーマーケットサイト
- ぐるなび:飲食店情報を提供するグルメ検索サイト
- Instagram:写真や動画の投稿を中心としたSNS
上記はほんの一部で、PHPは他にもさまざまなWebサービスの開発に利用されています。
PHPの特徴・メリット
PHPにはメリットとも言える、特徴がたくさんあります。
記述・実行しやすいスクリプト言語
PHPはサーバーサイドスクリプト言語の一種です。
サーバーサイドとは、サーバー上(WebサイトやWebアプリケーションなどの裏側)で動作し、データの処理やシステム連携を支える部分。
スクリプト言語とは、プログラミング言語の中でもコードの記述やプログラムの実行が簡単な言語の総称です。
PHPコードはサーバー上で処理され、HTMLやCSSなどのコードを生成します。ブラウザはそのコードを解釈して画面に表示するため、PHPコードがブラウザに直接表示されることはありません。
コンパイル不要ですぐ実行できる
PHPはスクリプト言語だと説明しましたが、スクリプト言語は一般的にインタプリタ言語に分類されます。
そして、インタプリンタ言語はコンパイルする必要がないので、コードの記述後すぐに動作を確認できるのが魅力です。
コンパイルとは、プログラミング言語で書かれたソースコードを、コンピューターが実行できる機械語(0と1の言葉)に変換する作業。
コンパイルが不要だと、変更や追加を行ったときも結果をすぐにチェックできます。
少ないコード量で実行できる動的型付け言語
PHPには動的型付け言語という特徴もあります。
動的型付け言語とは、プログラムの実行時に変数の型を決定するプログラミング言語。
つまり、コーディング時に変数の型付けをせずに済むので、コードの記述量が少なくなります。
さらに、PHPはもともとシンプルな構文なので、それもコード量を削減できるポイントです。
HTMLに直接埋め込めるので動的なWebページが作れる
PHPのプログラムは、HTMLのファイル内に埋め込んで実行することが可能。
さらに、PHPとHTMLと組み合わせることで、Webページに動的な要素を簡単に追加できます。
ちなみに、どちらか片方だけでは動的なコンテンツを作れません。
後ほどPHPとHTMLの違いについて説明するので、そちらも参考にしてみてください。
無料で利用できるオープンソース
PHPはオープンソースとして提供されており、無料で利用できます。
オープンソースとは、ソースコードが公開されており、誰でも自由に利用、改変、再配布できるプログラミング言語。
PHPも多くの開発者によって継続的に改善され、30年以上たつ現在も根強い支持を集めています。
PHPは公式マニュアルも無料で公開されているため、プログラミング初心者も気軽に始められるでしょう。
さまざまなOS・Webサーバーで実行できる
PHPはクロスプラットフォーム対応のプログラミング言語なので、さまざまなOS・Webサーバー上で実行できます。
クロスプラットフォームとは、異なるOSやデバイス上で、同じアプリケーションを動作させるための技術や開発手法です。
| PHPの対応OS例 | PHPの対応Webサーバー例 |
|---|---|
| Windows macOS Linux他 | Apache Nginx他 |
幅広い環境で動かせるということは、開発環境や本番環境、プロジェクトの選択肢が広がり、柔軟に開発できます。
環境構築が簡単
PHPは多くのレンタルサーバーに最初からインストールされており、サーバーを借りてすぐに実行できます。
よって、専用の開発環境をそろえる必要がないのもPHPのメリットです。
なお、本格的にPHP開発をするのであれば、XamppやMamppなどの統合環境構築ツールを使ってローカル環境を構築するといいでしょう。
フレームワークやライブラリが豊富
PHPには、開発を効率化するためのフレームワークやライブラリが充実しています。
フレームワークとは、システムやアプリの開発に必要な機能がセットになった、土台を簡単に作れる枠組みのようなもの。
ライブラリとは、システムやアプリの開発において、よく使う機能や処理を再利用できるように部品化したプログラムです。
PHPの代表的なフレームワークとライブラリを以下にまとめました。
▼PHPの代表的なフレームワーク
| 名称 | 特徴 |
|---|---|
| Laravel | 機能が豊富で使いやすい |
| CakePHP | 軽量で導入が簡単 |
| Symfony | 柔軟性・保守性・安定性が高い |
| CodeIgniter | 自由度が高く、小規模開発に適している |
▼PHPの代表的なライブラリ
| 名称 | 用途 |
|---|---|
| Guzzle | 外部APIとの連携 |
| PHPMailer | メール送信機能 |
| Monolog | ログの記録・出力 |
| Sentinel | ユーザー認証・アクセス制御 |
フレームワークやライブラリを活用すれば、開発工程を大幅に削減できます。ただし、それぞれ独自の機能や特性を持つため、搭載したい機能やプロジェクトの規模などに合わせ選ぶことが大切です。
初心者でも習得しやすい
PHPはシンプルで理解しやすい構文なので、初心者でも習得しやすいです。
また、30年以上の歴史と活発なユーザーコミュニティを持つPHPは、サンプルのソースコードや効率的な記述方法といった情報がインターネット上にあふれています。
さらに、日本語で書かれたWebサイトや書籍なども豊富なので、学習リソースに困ることはないでしょう。
PHPでできること
ここからは、PHPでできることの例を紹介します。
動的コンテンツの作成
前述の通り、PHPはHTMLと組み合わせることで、動的コンテンツを作成できます。
動的コンテンツとは、ユーザーの操作状況や閲覧タイミングなどによって、表示内容が変化するコンテンツ。
PHPで作成できる動的コンテンツの例
- 掲示板:投稿内容をリアルタイムで反映
- ブログ・ニュースサイト:新着記事の自動表示
- ECサイト・SNS:商品情報やユーザー投稿の管理
動的なページを作るには、データベースやブラウザなどから取得したデータを基に、表示内容をリアルタイムで生成する必要があります。そして、このプログラムに必要なのがPHPのようなサーバーサイド言語です。
ECサイトやSNSの機能実装
ECサイトやSNSサイトには基本的に以下のような機能が付いていますが、これらはすべてPHPで実装できます。
| ECサイトに必要な機能 | SNSに必要な機能 |
|---|---|
| 会員情報の登録・更新・削除 商品購入システム 予約やお気に入りの登録機能 オンライン決済処理システム 商品の在庫管理システム 売上管理システム | ユーザーの登録・更新・削除 投稿の作成・更新・削除 コミュニティやグループ機能 チャットやメッセージ機能 |
検索・ログインなどの基本機能の実装
PHPはユーザーの利便性を高める基本機能も実装できます。
| PHPで実装できる機能 | できること |
|---|---|
| 検索機能 | キーワードや条件に応じた情報表示 |
| ログイン機能 ログアウト機能 新規登録機能 退会機能 | 認証処理と個別ページ表示 |
| ユーザーフォーム | ユーザーフォームの作成、ログイン、登録、問い合わせなど(ユーザーフォームの入力・操作部分はHTMLやCSSで作る) |
| ファイル操作 | アップロード、ダウンロード、画像編集、PDF生成など |
PHPはサーバーサイドの処理がメインであり、データベースと簡単に連携できます。そのため、ユーザーの操作や入力情報の処理、データベースからの情報取得といった、上記の機能に欠かせない作業が得意です。
予約システムの開発
予約システムは、店舗への訪問やサービス利用などを事前に予約するための機能です。
ユーザーがサイトにアクセスすると、予約枠の空き状況を自動的に判別して表示することが可能。
予約システムもユーザーフォーム処理と同じく、PHPが予約フォームから送信されたデータを取得し、データベースにアクセスして予約情報の保存、更新、検索などを行います。
社内管理システムの構築
グループウェアシステムといった社内管理システムも、PHPで開発できます。
グループウェアとは、企業や組織内でスケジュールなどの各種情報を共有・管理するシステムです。
以下のようなグループウェアの代表的な機能はPHPで作成できます。
- カレンダーの表示
- カレンダーへ予定を追加・削除
- タイムカード(勤怠管理)の機能
- 社内リンク集
広告配信システムの開発
広告配信システムの中には、PHPで開発されたものがあります。
広告システムとは、広告の掲載、配信、管理、効果測定などを効率的に行うためのシステムです。
Web広告は常に同じものを表示しているわけではなく、広告配信システムによって、ユーザーの検索履歴などから情報を取得し、最適な広告を自動的に選んで表示しています。
上記はデータベースを活用した技術なので、データベースと連携しやすいPHPで実装することが多いです。
バッチ処理の作成
バッチ処理とは、データを一定量集めてから一括で処理すること。
データを取得するたびに処理を行っていると作業効率が悪いですが、後からまとめて処理すれば効率を上げられます。
バッチ処理の活用例
- 業務時間外のデータ集計
- 商品入荷通知の一括メール送信
バッチ処理はいろいろな言語で作成されますが、比較的軽量なシステムなので、軽量なプログラム作成に向いているPHPは相性がいいのです。
API連携
API(Application Programming Interface)とは、異なるソフトウェアやシステム間で機能を共有するための仕組みのこと。
PHPでWebサイトやアプリを開発するとき、既存のサービスが提供している機能(API)を利用する場面もあるでしょう。そんなときにAPI連携をすれば、自分のサイトやサービスに同じ機能を組み込むことが可能です。
PHPは多くのWebサービスで活用されているため、PHPで利用できるAPI連携の機能は多岐にわたります。
データベースとの連携
PHPは、MySQLやPostgreSQLといった主要なデータベース管理システムをはじめ、さまざまなデータベースと簡単に連携できます。
データベースとは、膨大なデータを効率よく管理するための仕組みです。
データベースとの連携でできること
- WebサイトやWebアプリケーションで扱うデータの管理
- 記事や投稿の管理
- ログイン・検索機能の実装
このような特徴もあり、PHPは膨大なデータを扱うWebサイトやWebアプリケーション開発に向いているのです。
CMSの開発・カスタマイズ
WordPressやDrupalといった人気CMSは、PHPで開発されています。
CMS(Contents Management System)とは、Webサイトやブログのコンテンツを管理するためのシステムです。CMSを使えばブログやWebサイトを簡単に制作できます。
また、基本機能はCMSに標準搭載されていますが、独自の機能を追加したいときはPHPを使ってカスタマイズすることが可能です。また、PHPを使えばCMSのデザインを自由に変えることもできます。
PHPが苦手なこと・できないこと
PHPでできることを見てきましたが、ここからはPHPが苦手なことやできないことを紹介します。
PHPが苦手なこと・できないこと
- フロントエンド開発(ブラウザ上での実行・操作、HTMLやCSSで実装するような表面のデザインなど)
- 大規模データの高速処理
- WebサイトやWebアプリケーション以外の開発
それから、PHPのデメリットには以下の点が挙げられます。
| デメリット | 対策 |
|---|---|
| セキュリティが甘い ⇒不適切なコードを記述すると、不正アクセスや情報漏えいなどの原因となる恐れがある | PHP、ライブラリ、フレームワークのアップデートを定期的に行う 最新のセキュリティパッチを適用する フレームワークを利用してセキュリティ対策をする ただし、現在は度重なるバージョンアップによりPHPの安全性も上がりつつある。 |
| バグが発生しやすい ⇒PHPは記述の自由度が高いため、コードの統一性が失われやすく、予期せぬバグにつながる恐れがある | コーディングルールを明確にする 静的解析ツールを活用して文法エラーを検出する テストコードを作成する |
もし、「大規模な開発を予定している」「エンジニアの経験や数が足りない」という場合は、PHPによる開発経験が豊富なプロに依頼するのも手でしょう。
PHPとHTML・JavaScriptの違い
Web開発によく使われる言語にはPHP以外にも、「HTML」や「JavaScript」があります。
ざっくり説明すると、HTMLやJavaScritpはフロントエンド開発に使われ、PHPはバックエンド開発に使われる言語です。
- フロントエンド
- Web開発においてユーザーが直接触れる部分=WebサイトやWebアプリケーションの画面や操作性を担当する領域
- バックエンド
- Web開発においてユーザーからは見えない部分=サーバー側の処理やデータ管理などを担当する領域
ここからは、以下にそれぞれの特徴をまとめたので違いを見ていきましょう。
| PHP | HTML | JavaScritp | |
|---|---|---|---|
| 言語の種類 | プログラミング言語 | マークアップ言語 | プログラミング言語 |
| 実行場所 | サーバー上 | ブラウザ上 | ブラウザ上 |
| 使用目的・役割 | 動的なコンテンツを生成する | Webページの構造やレイアウトを決める | Webブラウザ上での表示や動作を制御する |
| 得意なこと | データ処理・ファイル操作・動的生成 | Webページのレイアウトを構築 | ユーザー操作への反応・表示変更 |
PHP、HTML、JavaScriptはそれぞれ役割や得意なことが異なるため、WebサイトやWebアプリケーション開発では3つを組み合わせて使うことも少なくありません。
PHPの基本ルール
ここからは、PHPの基本ルールを説明します。
コードの記述場所と記述方法
PHPのコードは、基本的に「<?php」から始まるPHPタグの中に記述します。
「<?php」はPHPコードの開始位置を示すタグです。PHPコードの終了位置には「?>」を使用できます。
PHPはHTMLに埋め込んで記述することもできます。
▼PHPコードの記述例
<?php
echo "ここにコードを記述";
?>
文字列をWebブラウザに表示するには、PHPの出力構造である「echo」を使用します。
例のように文字列を出力する場合は、文字列を「'(シングルクォーテーション)」または「"(ダブルクォーテーション)」で囲むのが基本です。
シングルクォーテーションとダブルクォーテーションの違いについては、このあと出てくる「変数」の見出しで説明します。
なお、PHPファイルの末尾にPHPコードしか記述しない場合は、終了タグ「?>」を省略することも一般的です。
HTML内にPHPを埋め込む
PHPはHTMLの中に埋め込んで記述できます。
例えば、以下のようにHTMLの中にPHPコードを記述できます。
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>PHPコードの例</title>
</head>
<body>
<?php
echo "ここにPHPコードを記述";
?>
</body>
</html>
上記の例では、HTMLの<body>タグ内にPHPコードを記述しています。
PHPでは、HTMLの中にPHPコードを埋め込むほか、PHPを中心としたファイルを作成してHTMLを出力することもできます。
また、複数のPHPファイルで共通して使用する処理やファイルを読み込む場合は、「include」や「require」などの構文を使用できます。
「;(セミコロン)」をコードの最後に記述する
PHPでは、命令文の末尾に「;(セミコロン)」を付けるのが基本です。
セミコロンは、1つの命令文の終わりを示します。
例えば、以下のように記述します。
<?php
$name = "佐藤";
echo $name;
?>
上記では、「$name = "佐藤";」と「echo $name;」という2つの命令文の末尾にセミコロンを付けています。
セミコロンが必要な箇所で記述しないと、PHPの構文として正しく認識されず、エラーが発生する場合があります。
なお、PHPの終了タグ「?>」の直前にある最後の命令文では、セミコロンを省略できる場合があります。ただし、コードを分かりやすく保つため、基本的には命令文の末尾にセミコロンを付けると考えておくとよいでしょう。
コメントの書き方
PHPファイル内にはコメントを記述できます。
コメントは、開発者向けのコードの説明やメモなどを残すために使われ、コメント部分は通常、プログラムの実行に影響しません。
1行コメントは「//」または「#」の後に記述し、複数行のコメントは「/*」と「*/」の間に記述します。
▼1行コメント・複数行コメントの記述例
<?php
// これは1行コメントです。
# これも1行コメントです。
/*
これは複数行コメントです。
複数行にわたってコメントを記述できます。
*/
?>
コメントを適切に記述すると、コードの目的や処理内容を把握しやすくなります。後からコードを見直したり、複数人で開発したりする場合にも役立ちます。
ファイルの拡張子は「.php」
PHPコードを記述したファイルは、基本的に「.php」という拡張子で保存します。
例えば、「index.php」のようにファイル名の末尾に「.php」を付けます。
PHPファイルをWebサーバー上で処理する場合、Webサーバーの設定に応じてPHPとして処理されます。
そのため、PHPコードを記述したファイルを作成するときは、基本的に「.php」の拡張子を使用します。
ただし、単に拡張子を「.php」に変更するだけでPHPが実行できるわけではありません。PHPを実行するには、PHPが利用できる環境や、PHPに対応したWebサーバーなどが必要です。
PHPの基本構文
ここからは、PHPの基本構文を紹介します。
変数
変数とは、プログラム内でデータを格納し、その値を参照・変更するために使うものです。
PHPは動的型付け言語のため、変数を定義するときに型を明示する必要はありません。変数の型は、基本的に実行時に格納されている値に応じて決まります。また、状況に応じて値の型が自動的に変換される場合があります。
型とは、変数に格納するデータの種類のことです。
PHPでは、「$変数名 = 値;」の形で変数に値を代入します。
また、変数名には以下のルールがあります。
- 英字、数字、アンダースコア(_)を使用できる
- 変数名の先頭には英字またはアンダースコア(_)を使用し、数字は使用できない
- 大文字と小文字は区別される
▼変数の例
<?php
$name = "佐藤";
echo $name; // 出力:佐藤
?>
上記のコードは、変数「$name」に「佐藤」という値を代入し、その値を表示するものです。この場合、Webブラウザには「佐藤」と表示されます。
「佐藤」を直接記述するのではなく、変数として扱うことで、値を変更しやすくなります。例えば、「$name = "佐藤"」を「$name = "鈴木"」に変更すれば、「鈴木」と表示されます。
また、PHPでは文字列を「'(シングルクォーテーション)」または「"(ダブルクォーテーション)」で囲みます。2つには以下のような違いがあります。
- シングルクォーテーション:文字列内の変数を展開しない
- ダブルクォーテーション:文字列内の変数を展開する
使い分けの例を見てみましょう。
▼変数展開の例
<?php
$score = 80;
echo "点数は{$score}です。";
echo '<br>';
echo '点数は{$score}です。';
?>
上記の場合、ダブルクォーテーションで囲んだ文字列では変数が展開されるため、「点数は80です。」と表示されます。
一方、シングルクォーテーションでは変数は展開されず、「点数は{$score}です。」とそのまま表示されます。
「点数は80です。」のように、文字列の中に変数の値を埋め込むことを「変数展開」といいます。
変数展開では、ダブルクォーテーションで囲んだ文字列の中に変数を記述できます。変数名と後続する文字を明確に区切りたい場合は、変数を「{}」で囲みます。
配列
配列とは、複数の値をキーと関連付けて管理できるデータ構造です。
PHPで配列を定義する場合、「array()」または「[]」という短縮構文を使用できます。
▼配列の例
array()を使う場合
<?php
$names = array("佐藤", "鈴木", "高橋");
echo $names[0]; // 出力:佐藤
?>
配列の要素を取得するときは、インデックス(キー)を指定します。数値キーを持つ配列では、先頭の要素が「0」から始まります。
上記の場合、「$names[0]」と指定しているため、先頭の要素である「佐藤」が表示されます。
▼ [](短縮構文)を使う場合
<?php
$numbers = [1, 2, 3, 4, 5];
echo $numbers[2]; // 出力:3
?>
上記の場合、「$numbers[2]」と指定しているため、インデックスが「2」の要素である「3」が表示されます。
数値キーは「0」から始まるため、「3」は配列の3番目の要素にあたります。
また、配列の要素を順番に処理するための制御構文として「foreach構文」があります。foreachを使うと、配列の各要素を順番に取り出して処理できます。
▼foreach構文の例
<?php
$nums = [1, 2, 3];
foreach ($nums as $num) {
echo $num;
}
?>
上記のコードでは、$numsの要素を順番に$numへ取り出し、「1」「2」「3」を順番に表示します。改行を指定していないため、Webブラウザ上では「123」と表示されます。
演算子
演算子とは、変数や値に対して計算や比較などの操作を行うための記号です。
▼PHPの主要な演算子
| 種類 | 主な演算子 |
|---|---|
| 算術演算子 数値の計算を行う | +:加算 -:減算 *:乗算 /:除算 %:剰余(余り) |
| 比較演算子 値などを比較する | ==:等しい ===:値と型が等しい !=:等しくない !==:値または型が異なる <:より小さい >:より大きい <=:以下 >=:以上 |
| 論理演算子 条件を組み合わせる | &&:論理積(AND) ||:論理和(OR) !:論理否定(NOT) |
| 代入演算子 変数に値を代入する | =:代入 +=:加算して代入 -=:減算して代入 *=:乗算して代入 /=:除算して代入 %=:剰余を計算して代入 |
| その他 | .:文字列の連結 ++:インクリメント(値を1増やす) –:デクリメント(値を1減らす) |
条件分岐
条件分岐とは、特定の条件が成立しているかを判断し、その結果に応じて異なる処理を実行する仕組みです。
PHPの条件分岐では、主に以下の構文を使用します。
▼if文の基本構文
条件が成立した場合に処理を実行し、成立しない場合はその処理を実行しない構文です。
<?php
if (条件) {
// 条件が成立したときに実行する処理
}
?>
条件を「()」の中に記述し、実行する処理を「{}」の中に記述します。
▼else文の基本構文
条件が成立しなかった場合に、別の処理を実行できます。
<?php
if (条件) {
// 条件が成立したときに実行する処理
} else {
// 条件が成立しなかったときに実行する処理
}
?>
elseを使うことで、「条件が成立しなければ、こちらの処理を実行する」という分岐を追加できます。
▼elseif文の基本構文
elseifを使うと、if文に複数の条件分岐を追加できます。
<?php
if (条件) {
// ①条件が成立した場合に実行される処理
} elseif (別の条件) {
// ②別の条件が成立した場合に実行される処理
} else {
// ③上記の条件がどちらも成立しなかった場合に実行される処理
}
?>
ifの条件が成立した場合は、①の処理を実行します。
ifの条件が成立せず、elseifの条件が成立した場合は、②の処理を実行します。
ifとelseifのどちらの条件も成立しなかった場合は、③の処理を実行します。
繰り返し処理
繰り返し処理とは、特定の処理を繰り返し実行することです。
PHPの繰り返し処理では、主にfor文やwhile文、foreach文などを使用します。
▼for文の基本構文
for文は、繰り返す回数や条件をあらかじめ設定して処理したい場合などに使います。
<?php
for (初期化式; 条件式; 更新式) {
// 繰り返し処理される内容
}
?>
初期化式とは、ループ開始時に実行される式で、主に繰り返し処理を制御する変数の初期化に使われます。
条件式とは、ループを続けるための条件です。条件が成立している間、for文内の処理が繰り返されます。
更新式とは、1回のループが終了するごとに実行される式で、主に繰り返し処理を制御する変数の値を更新するために使われます。
▼while文の基本構文
while文は、条件が成立している間、処理を繰り返します。条件が成立しなくなると、ループ処理を終了します。
<?php
初期値;
while (条件式) {
処理;
増減式;
}
?>
while文では、あらかじめ初期値などを設定し、条件式が成立している間、処理を繰り返す使い方があります。
条件が最初から成立しない場合、処理は一度も実行されません。
また、ループの中で条件に関係する値を更新しないなど、終了条件を満たせない状態になると、無限ループが発生する可能性があります。
関数
関数とは、特定の処理をひとまとまりにしたものです。
関数を使うことで、同じ処理を複数の場所で再利用できます。複雑な処理を整理したり、同じ処理を繰り返し実行したりするときにも便利です。
PHPの関数は、大きく分けて「ビルトイン関数(組み込み関数)」と「ユーザー定義関数」の2種類があります。
ビルトイン関数(組み込み関数)とは、PHPに標準で用意されている関数のことです。文字列操作、数値計算、配列操作、ファイル操作など、さまざまな処理を行う関数があります。
ユーザー定義関数とは、開発者が自分で定義する関数のことです。ユーザー定義関数では、「function」を使用して関数を定義します。
▼関数の基本構文
ユーザー定義関数を使用する場合
<?php
function 関数名(引数1, 引数2, ...) {
// 関数の処理内容
}
?>
関数名を指定して関数を定義し、必要に応じて引数を渡して処理を実行します。
引数とは、関数に渡す値を受け取るためのものです。関数を呼び出す際に値を渡すと、その値を関数内の処理で利用できます。
なお、PHPの関数名は大文字と小文字を区別しません。ただし、コードの可読性を保つため、関数名の表記は統一することが大切です。
PHPの学習方法
PHPの学習方法は主に以下の3つが挙げられます。
| 学習方法 | メリット | デメリット | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 学習サイト | パソコンで知識を得ながら実践学習ができる 最新の情報に更新されていることが多い | パソコンが必須 月額料金がかかるケースが多い | オンラインで効率よく学びたい インターネット環境が整っている |
| 入門書 | 1冊で幅広い知識を習得できる パソコンがなくてもOK | パソコンを用いる実践学習には不向き 書籍によっては内容が古い場合がある | 自分のペースで学びたい 本を読むのが好き |
| プログラミングスクール | 講師のサポートがあるため挫折しにくい 最適なカリキュラムで効率よく学べる 仲間がいるためモチベーションが続く | 通学型だと通う手間が発生する 独学よりも費用ががかかる | 独学で学べるか不安がある コストよりも確実性を重視したい |
効率よくPHPを習得したい方は、以下の3ステップも意識してみましょう。
- HTML・CSS・JavaScriptについて理解する
- PHPの基本文法・構文を理解する
- サンプルコードを参考にして簡単なプログラムを作る
まとめ
最後にPHPの特徴をおさらいしましょう。
- ラスマス・ラードフ氏によって1995年に開発
- 動的なコンテンツや機能を実装できる
- Web開発に特化(特にWebサイトのWebアプリケーション開発が得意)
- オープンソースで環境構築も簡単
- さまざまなOS・Webサーバーで実行できる
- フレームワークやライブラリが豊富
- シンプルな構文&少ないコード量で実行できる
- 初心者でも習得しやすい
予約サイト、SNSサービス、CMS開発など、動的な要素を含むWebサービスを開発したいのであれば、PHPについて理解を深めておくといいでしょう。
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